ヴァンパイアバージョン 「リボーン!」 「っせーな。聞こえてる」 早撃ちの腕はマフィア随一だ。リボーンの放った弾丸はツナの体に命中し、弾丸に込められている一族の血液を血管に流し込む。 すぐに全身を巡る。徐々に冷えていくなにかを意識下に感じながら、ツナはその目を開いた。 青白い炎のような瞳が、一瞬で赤く染まる。 ゆっくりと開いた口から尖った犬歯が覗き、ヒュ、と掠れた音が響いた。 吸血鬼に変じたツナは、普段の豊かな表情を失っている。 王族らしく、冷酷で容赦のない頑なな部分がそこだけは目を覚ますのかも知れない。仕える身でありながら、時に、数百年の寿命を誇る自分の父以上の威圧を感じる獄寺ではあったが――― (………違う) 無表情な面の裏にはしっかりと普段の彼が息づいている。心持ち、首を斜めに傾げたツナは、心配そうな部下に対し普段には無い微笑を浮かべて見せた。思わず赤面する。 意味が違うと分かっていても、同性の心でさえ掻き立てる妖艶な笑いだ。 自分の不埒な感情を振り切るようにして、獄寺はその場に膝を着きこうべを垂れた。 忠誠を示す印に、今のツナは特に何の感慨も抱かない。 しかしヴァンパイアのこうした儀礼を、馬鹿げたものと考えるライカンスロープは違ったらしい。嘲笑を浮かべ、XANXUSは吐き捨てた。 「犬を飼ってる。てめぇらはいつもな」 血統も何もただの目安と名札でしかない。根本的に地位は、力で決まる。 自らの力量を全てとするライカンスロープの蔑視を、ツナは平然と受け流した。無礼な言葉に勇んだ部下が、思わず動きを止める程に挑発的な言葉で。 「お前も飼ってやろうか」 ツナが懐から取り出した物を見てXANXUSは憎悪に目を光らせた。 ライカンスロープの力を封じる首枷。銀製の留め具と、織り込まれた鎖がジャラリと音を立てた。丸い輪の縁を赤い舌が舐める―――ゆっくりと。 ツナは目を細め、傲慢に笑う。 「そう………それがいい。俺が勝ったら、犬にしてやる」
Kさまに捧げたわらしと正反対な性格の吸血鬼ツナでした。挑発バリバリのセクシーバージョンで。 文章top |