じりじり、じりじり暑い日差しが続く。
 フライパンで炒められてるみたい。それはそれで慣れてる筈。でも我慢できない。
 視線のせいだ。
 観客席を見る。白い顔黒い顔ただの肌色。入り以来オレは追いかけ回され始めた。日に日に数は増していく。女、記者、知らないけれどやたら偉そうなオジサン。皆言うことはいつも同じ。

"将来のこと"

「将来」って言葉この何日かで嫌いになった。
 こんなに探してるのにまだツナは見つからない。





 じりじり、じりじり暑い日差し。
 観光地だって嘘ばっかり。見渡す限り平原、空には雲一つ無く快晴。地獄?
 前を見ろ。狙いを定め、しっかり握れ。繰り返される言葉はいつも単調で、そのうちきーんと飛行機の音がする。空を見上げようとすると叱られた。
 撃て。

 ガン、ガン、ガンッ

 反動で俺の体は後ろに下がる。踏ん張る為に力を入れると狙いがそれて「止めろ」って冷たい声がする。また叱られる。
 最低使えるようにならなけりゃ、お前は3日目で殺されるって。






 試合は勝つ。そう決めてる。だから走る。
 オレは野球とセットでまだツナの事を考えてる。携帯はメールも通話も繋がらないままだ。
 とりあえず食わねーと倒れそうな暑さ。





 体力の消耗が酷いのは暑さのせいだろう。
 リボーンはちっとも上達しない俺に見切りをつけたのか、一言も喋らない。ただ黙って銃弾を渡す。これを詰める作業だけは上手くなったと思う。
 夕食が胃に入らない。何度も吐く。






 元気な連中は街に出てカンコーって………要は遊びたいってコトだよな。
 オレは出る気分じゃなかったし、腕の調子もちょっとおかしい。冷やしながら誰もいない部屋でごろごろしてると、監督が顔出した。マネージャーも。
 何言われるか聞かれるか分かってるから、寝たふりしちまった。





 帰れない。
 俺の手に収まるサイズの拳銃でなく、もっと大きなのまで持たされた。
 当てなくていいからぶっ放せって言われて更に憂鬱。
 当てるために集中して考えないでいたことが、肩が砕けそうな衝撃で脳みそに打ち込まれてく。






 試合。
 途中雨が少しだけ降った。





 何度も何度も頼み込んで、やっと会いに行くだけ許して貰えた。
 試合間に合うといいけど。それにしてもコイツ、ほんと山本には甘いんだな。