幕間.廃墟.雲雀
痛みに朦朧とした意識の中で問い続ける。何故、お前が。どうして、此処に?
許可無く僕の体に触れているんだろう。
「すみません」
唇を噛みしめ、青白い顔色で必死に傷口を探る真剣そのもので。
「ごめんなさい」
しゃくりあげながら傷を見つけ、震える手で拭う。清潔なガーゼを使うだけの知恵はあるようだがいかんせん手つきが悪い。
「ごめんなさい」
煩い。
疲れた腕が小柄な体躯を吹っ飛ばす。殴りつけられてゴムまりのように弾み、壁際に叩き付けられて呻く。
「……ごめ、ん…なさ…」
ずるずると這いずりながらやってきて、再び血を拭う作業に戻った。
その張りつめた横顔を眺めながら僕は言う。どうしてよけなかったの。
鼻血で汚れ始めた顔はちょっと頬を歪めて笑って、言った。
「いいんです。これで帳尻あうようになってんだから」
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