10代目は素晴らしい方だ。あの方には力がある。口先だけの、上辺だけの奴等とは違う。俺があの方に仕える事が出来るのはなんと幸せなことだろう!これ以上はないくらい。 至上の幸福というものがあるのなら、それはきっとこれだ。後悔など一滴たりともない。 10代目の声は柔らかい。その目は少年のまま、時を止めたように丸く澄んだ光を放ち、英知に富んでいる様子がうかがえる。10代目は喚いたり、脅したり、わざとらしく威圧したりは絶対にしない。裏切り者を前にしても、敵の暗殺者を前にしても、静かに落ち着いている。その目はまっすぐ相手の目を捕らえ、ただ一言、「どうして?」と問う。それだけでいい。奴等は口を開く。どんなに重い口でも、最後には開いた。 だから裏切り者は自分が何をしたか、どこをどう間違ったのかを知りながら死んでいける。自分が侵した罪の重さを実感し、だから自分は今此処で死ぬのだと納得しながら。それはなんと幸せなことなのだろう、それを他でもない10代目からの言葉で!情け深い方。 俺があの方に仕える事が出来るのはなんと幸せなことだろう! 2005.9.12 up next |