目の前に獄寺くんが跪いている。俺は椅子に座っている。座り心地のいい椅子に。肘掛けの付いた大きな黒椅子に。背中を柔らかく包んで事務処理の苦痛を軽減してくれる。
俺は、獄寺くんの目をなるべくまっすぐ見るようにして(リボーンに最初に直された悪い癖が、人の顔を見れない事だった。もはや懐かしい、そらすと弾丸が飛んでくる恐怖!)その逞しくなった肩に手を置き、感謝を述べた。

君は良くやってくれている。
君の能力を俺は高く評価している。
君のような部下を持つことが出来て俺は本当に嬉しい。

獄寺くんは折角の綺麗な顔をくなあと緩めてしきりに照れる。ほっぺたが赤くなってまるで若い娘さんのようにはしゃぐ。10代目、10代目こそ素晴らしいのですオレは貴方に仕えることが出来て本当に幸せでと賛美が聞こえてくる。こうなると長いので「それでね」と言ってぶったぎる。ごめん、獄寺くん俺ちょっと言いたいことあるから。ウン、静かに聞いてね?頼むね?興奮しないでね?その分だとちょっと心配なんだよ頼むから大人しくしててくれ………ってワン公相手みたいな失礼だろそれ。
ああそうか獄寺くんはどっちかっつーたら犬だよな。俺にしか懐かないもんな。同級生で同じくらい付き合いの長い山本とだって未だに喧嘩ふっかけるもんな。
少し社会性勉強したほうがいい。
余計なお世話ですかそうですかごめんなさいね。要らない気ィまわしたね。それよか今はコレだよね。
「獄寺くん」
「はい」
「君に聞きたいことがある」
「なんなりと」
「獄寺くんは、女は嫌い?」
「嫌いというか、面倒だと思ってます」
「獄寺くん好きな人いる?」
「10代目、愛してます!」
「じゃあさ獄寺くん俺とセックスしたい?」

獄寺くんは真っ赤になった。
それから鼻血を出しながらぶっ倒れた。

「そそそんな畏れ多い事などっ!!」
「あ、やっぱ気持ち悪い?」
「そうではありませんが!あり得ませんが!!!」
「そうか………じゃあしても大丈夫なんだ。する?したいかな?」
「うげほっ」
「よく考えてみて。それで良かったら、今週末あたり。予定、開けておいてね。それとも嫌」
「とんでもないっ」

俺は考えたのだ。
獄寺くんが女を嫌がるなら、最初からそこで躓いてしまう。それでは目的は達成できない。
リボーンも責任を取れと言っていた事だし、俺とえっちすればそれがきっかけでえろえろに目覚めるかもしれないじゃないか。責任ですヨ責任。由々しき事態と俺は深刻に受け止めておる次第ですヨ。
それに獄寺くんは美形だしあまりに一緒に居すぎてなんだかもう、俺の一部みたいだ。多分中に入れても(リアルな話でごめんなさい)大丈夫じゃないかなあ、と思うのだ。聞いた話だけど初めはすっごい痛くて大変らしいけど彼なら無理矢理俺を傷つけるようなことは絶対にしないだろうし、その辺は一応経験者の俺がリードしてやればよいのだろう。
「用事はそれだけなんだ。仕事に戻っていいよ、呼びつけてごめんね」
「し、しつ、しつれい、しま」
ゴッ、と鈍い音がして、獄寺くんは壁に激突しながら出ていった。

2005.9.12 up


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