ぐでんぐでんになってしまった獄寺くんを担ぎ出す。リボーンが複雑な顔をしてるけど、でも大丈夫。酔っぱらってると勃たないから!と笑顔で言うと、殴られかけた。よけたら獄寺くんにあたった。 ………ゴメ、わざとじゃないんだ。 「ほらしっかりしろ、重いから歩いてくれって」 「じゅーだいめー…」 グスグス、グスグス。獄寺くんは酔うとウェットになるタイプのようだ。おぼつかない足取りで俺の肩にしがみつき、ボソボソした声で何か言ってる。 「どうしてあんなやつら、好き勝手にさせちゃうんですかっ…」 「みんな酔っぱらってんだよー」 「違います10代目貴方を狙ってるんです」 「アハハ面白い冗談だねー」 この酔っぱらいめ。 みんな君と違ってそれなりに若さを謳歌している連中ですよ?だから俺も安心ってもんでさ。 「はい洗面所到着」 どさっと音を立てて獄寺くんは落ちた。 明かりを絞ってあるので、雰囲気はあるが足下が暗い。俺は明るくしようと照明に手を伸ばしたが、いきなり足にしがみつかれて危うく大理石に頭を激突させる所だった。 「なにすんだよ」 「10代目は、酷いです…」 「えー」 ずるずる、引っ張られる。足が崩れる。 正面から俺をぬいぐるみのように抱えて、スン、スンと鼻を鳴らす獄寺くん。 これ証拠写真かなんか撮って何かの余興で出そうか。 いや、やめとこう。ホモの濡れ場に見える(しかもあんまり間違ってない)。 「なにがひどいの」 こうなったら付き合ってやるか、ぐらいの軽い気持ちで俺は言った。まだ酒が残っていたのかもしれない。 「じゅう、だい、め」 一瞬。 酒臭い獄寺くんの息がかかって、そんな場合じゃないのにってか多分できないのに!変な気分になった。 「あなた、やさしいから」 「俺?」 「オレ、バカだから期待しますよ。じゃなくったって、錯覚しますよあんなんじゃ」 「獄寺くん?」 あれ? いつの間にこんな空気なってんだ? ごくんと喉の音が響く。俺柄にもなく緊張してる。や、注意しとかないと。 次獄寺くんなんて言うんだろ。 顔を覗き込もうとしたら、子供がイヤイヤするみたいにさけられた。 くそう、ちょっとかわいいぞ仕草が。俺よりデカイくせに……… 「なんのつもりで」 なんのつもり。 それは俺が一番知りたいことでもある。 俺はなんのつもりで獄寺くんとしちゃうのか。どうして後悔が一片たりともないのか。 まるでこれでバッチリみたいにガッチリはまって安心してられるのか頭おかしくなっちゃってんのか?俺は、俺は獄寺くんを好きなんだろうか。好きなんだろう。でもそれは友人として、部下として、近しい人間としての親愛の情ではないか?親愛の情で突っ込まれて平気?そんなわけないだろ俺。もっとしっかり考えろ俺。じゃないと、 「好きだ」 ………また先越されちゃってるよなんでかなあ! どーして俺誰に相手でも後手にまわっちゃうんだろーなあ! なんかすげえ悔しい……… 「10代目、愛してます」 たまには俺からも言わせろってカンジ……… 「本当です。今までのとなんか、違うんです!オレなんかがこんなこと言うのおこがましいですけど誰にも触られたくないんです10代目が」 このままだと俺男としてどうなのよって、 「好きで、」 だから知ってるよチクショー! 知ってんだよずっと前から当たり前みたいにそうだったじゃないか何今更告白しちゃってんの獄寺くん君遅いんだよ圧倒的に俺全部知ってんだからバレバレなんだから分かんない方が頭おかしいんだから今言わなくったって俺より先に言わなくったっていいじゃんよ 「獄寺く」 「でもオレは、オレ………貴方の何ですか」 ………だーかーらー。 今言おうと思ったのに。 俺は半分ふてくされながら体を彼からずらそうとする。けど、乱暴に引き戻されてしかもガツンっと洗面台下の棚に頭をぶつけた。 「ちょっ、痛い」 獄寺くんは無言だ。上に覆い被さったまま、ギリギリと強く押さえつけてくる。 睨むみたいな目、久しぶりに見た。俺に向かって!最初会ったとき以来じゃないか? さっきまでグスグス言ってたからちょっと潤んだ目が、まるで憎たらしいみたいに睨んで、怖い顔をして。 べりべり服を剥がされてからやっと俺は何されるのか分かって、意外だった。獄寺くんがそういう仕方で俺としようとしてることが。いつでも俺を大事に大事にしてたのに、今は自分でそれを破ろうとしてることが。 正直、ちょっと興味がある。 嫌がったら余計傷つくだろうなと思って、俺はじっとしていた。体をひっくり返されて後ろに舌を突っ込まれても、めちゃくちゃ驚いたけど。ぐっと声を出さないように我慢した。べろべろ舌を使われて足がガクガクする。酒殆どのんでないから、触られればそのまま反応してしまう。 指を一本、すぐに二本めも入れられる。 獄寺くんは相変わらず無言で、ぐちゃぐちゃに中を掻き回す。乱暴だけどギリギリ快感に引っかかるような場所で、俺は思わず息が漏れてしまってヘンな声が出た。 「イイんですか」 酔っぱらいは加減てものを知らない。いつもなら息を付かせてくれるのをすっとばして、どんどん、俺を追いつめる。全身がぶるぶる震えてる。声が止まらない。もう、もう、 「10代目」 ファスナーを下ろした股間を、顔の前にぐっと突き付けられた。本当に酔っぱらって前後の見境無くなってるよな………こんなこと素面なら絶対しない。 渋々………でもなく、俺は素直に口を開いた。酔ってるせいでまだ柔らかいそれを喉奥まで無理矢理突っ込まれてむせかける。歯を立てないよう、慌てて力を抜いた。 「ン……む、…ぐっ」 思ったより嫌ではない。ただ、息が出来なくて苦しい。 やり方もよく分からない。されたらいいようにやろうと思えば、俺の口はもっと大きくなきゃいけない。か、獄寺くん、もっと縮んでくれないと。 「んっ、んっ、ぐっ、ぅ……」 獄寺くんは俺の頭を掴んで前後に揺する。初めてだってのにいきなりキッツいディープスロート、なんてのは普段の彼とはギャップが過ぎる。 俺はなんだかそういうものみたいに興奮してしまって、やっぱり変態かもしれない。 口の中をぐいぐい押してくるそれは、初めよりはイイようだけどやっぱり酔ってるからか全然、勃たない。そのうち獄寺くんは苛立ったように俺の口からそれを引き抜いて、唸った。 「は………ぁ」 俺の方は逆にカッカしてて、ころんと転がされて、あてがわれても力を入れる事が出来ずに―――かえってそれが良かったみたいだ。 獄寺くんは一つ息を吐いて、ぺろっと唇を舐めて、まだ柔らかいままのものを無理矢理押し込んできた。 痛みはそんなにない。 ただ限界だった俺はそれだけで我慢できず、入れられた途端にイってしまったので、それがちょっと恥ずかしいなと思って。 ごめん、と小声で謝ったけど、獄寺くんは黙ったままだった。 まだ怒ってんのかな。 俺ちゃんと言わないといけないよなあ。 えー、じゃ、い、言うの?こんな格好ですけど。 「獄寺くん、ちょっと」 それにしても重い、と俺は獄寺くんをつついた。俺の上にのしかかったまま、彼は。 寝てた。 おぉい! 「こんな状態で寝るなよ!っつか、俺どーすんだよっ!?」 意識を失った人間の体ってすっげ、重いんだよ! しかも中入ったままだから中途半端に気持ちよくて困るだろー?!? 「だっ、もっ………ふざけんなー!」 2005.9.15 up next |